2019-2020年度 玄海原子力発電所見学 報告
電気電子工学科 3年 鳥巣 総一朗
僕はとても大きなウラン燃料を原子炉に入れて核分裂させているのかなと思っていましたが、8mm×11mmのペレットと呼ばれる低濃縮二酸化ウランを1機当たり約1,620万個入れて発電しているということを知り、素直に驚きました。これも安全のために1年に1回定期検査時に約3分の1を新しい燃料に取り替え、取り替えた燃料もモックス燃料として再利用している事を知りました。万が一の事故が起きない限り、二酸化炭素の排出量が火力発電と比べ極めて少ないことや、酸性雨や光化学スモッグなどの大気汚染の原因となる酸化物を排出しないので環境に優しいということがわかりました。
正直なところ、福島原子力発電所の事故後のメディアでの原子力発電に対する様々な報道を見て、見学に行く前までは「本当に安全なのだろうか」と思っていましたが、厳しい安全基準や訓練を設け、多重防護を基本とし「機械は故障し、人はミスを犯すもの」という考えのもと、非常事態に備えていることがわかりました。
福島原子力発電所では予備電源やポンプが使用不可になり核燃料を冷却できずにあのような事故に繋がったということで、玄海原子力発電所では移動式大容量発電機や移動式の大容量ポンプ車、原子炉建屋が破損しないように破損しないために建屋内の圧力を下げる装置などで対策を行なっているということがわかりました。
1、2号機は約30年かけ解体され、また今後3、4号機も解体される時がくると思うのですが、その際にかかるコストやリスクなどを含めると他の発電と比べてどちらの方が人間や他の生物、地球に優しいのだろうかという疑問が生まれました。
今回の玄海原子力発電所見学では、日頃の高専生活では見ることのできないスケールの施設や考えることのないような事を考えさせられる機会になり、とても良い体験になったと思います。今後の学校での勉強にも役立てていけたらなと思いました。
このような素敵な機会をくださり、ロータリーの方々本当にありがとうございました。
電気電子工学科 3年 小川太誠
1つは徹底された安全対策です。玄海原発では五つの段階に応じた対策をとっており、福島原発事故の問題点をよく抑えた安全対策だと思いました。私の実家は玄海原発で事故が起きた場合に避難しなければならない地区なので今回の見学で随分安心できました。2点目は原子力発電のメリットです。原子力発電といえば実際に国内で事故が起きていることもありマイナスな印象が一般的だと思います。
しかしながらデメリットばかりでなくメリットもあるわけです。主なメリットとしては安定して大量の電力を供給可能で、発電量当たりの燃料単価が安いので経済性が高いことや、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が極めて少ない事などがあります。このようにメリットもある中で、危険性の高さはほかの発電方法とは比べものにならないレベルで、放射性廃棄物についての問題などもあります。しかし見学を通して、それでも私は原子力発電が日本には必要であると思いました。現在の原発以外の発電システムだけでは将来的には電力が不足することになりますし、水力発電や火力発電については環境や資源への問題もあり安易にこればかりに依存するのは危険な事のように感じます。そのため今回見学した玄海原発のように十分な安全対策がなされているのであれば原子力発電に賛成というのが見学を終えた私の意見です。
今回の見学では今まで行ったことがなかった奥まで見学することができ、さらに知見を広げることができました。このような機会を大切に今後もインターアクトクラブとして楽しく活動していきたいと思います。
=== 吉富紗香さん、江口彩花さん 報告 ===